裁断を終え、道具も揃ったところで、一息つく。


さっきまで聞こえていた子供らの声が、

いつの間にか遠くかすかな「音」になっていた。

入れ替わり耳に届くのは風鈴の音。

ゆるい風に響く音が心地よい…。

けんちょう器や、くけ台があると、芯をとじると時などに重宝する。

こんな昔ながらの和裁道具で、幼い頃の記憶を辿るのも楽しい・・・。
■ 帯 芯 地
                  三河木綿    4m (\500/m)



                近くの大型手芸店に行くと、

                帯芯の巨大な、“巻き”があり、はかり売りされていた。

                帯芯1本分が包装されたものしか見たことがなかったので、

                かなり驚いたが、とりあえず4m購入した。


■ 縫 い 糸
                    帯地を縫う      絹糸

                    帯芯をとじる     小町糸(木綿糸)


              私はいつも、木綿糸として、「カタン糸 30番」を使っている。


■ 和 裁 道 具
コ テ (折り目を付けたり、標を付けたりする)
けんちょう器 (布をひっぱって、針を通しやすくする)
くけ台 (けんちょう器をアーム部につなげ、土台を踏んで支える)
〔裁断方法〕
三等分
たれ側
たれ側



織り出し⇒
総用布を確認してから、

どんな結び方をしたいか、改めて思ってみる。

普段着用の帯として使いたい、だから「お太鼓」や「角だし」が

結べるほどの帯丈に仕上げたい。

しかし今回の主役は、なんと言ってもあこがれの「黒繻子」だ。

出来れば、TVの時代劇に出てくる町人のように、

帯のふちやお太鼓のたれ先に、

黒繻子が見えるように仕立てたい・・・。




やはり自分の思いにこだわって、たれ先に黒繻子が出るように作っていこう・・・。

「角だし」に結ぶならば、たれ先とお太鼓の部分に

裏と表の生地が見えるように結ぶことができるけど、

「お太鼓」結びの時も繻子を見せたいので、

袋帯の“織り出し”部分のように、

たれ先の表面にも黒繻子を使うことにした。





                 裁断寸法が決まってからは早かった。

                 さらにバティックは、色落ちする恐れがあるため、

                 購入後は、洗濯機で水洗いした方がよいと

                 お店の方にアドバイスをいただいたので、さっそく洗濯する。


                            そして布を三等分にし、裁断へ・・・。
部は帯を締めた時、表に出ない。
はぎ合わせは、この部分にもってくる。
* 解説:本来なら帯の表の布も、裏の布も同じ総用布(400cm内外)であればよいのだが、

     今回は、黒繻子が少し足りないので、はぎ合わせ方に工夫が必要。


        総丈 380cm      帯幅 30cm
黒繻子とそれに合わせる更紗の生地も揃った。

大切な生地と向き合い、丁寧に、

そして気持ちを込めて縫い込んでいきたい・・・。

縫うために必要なものを確認し、揃えていくうちに、

ふと、知人のおばあ様を想像したように、

今度は出来上がった帯を締め、

「平成」という時代の街を歩く自分を想像してみた。


あわせる着物、出かける場所、いろんな想像に思いを馳せて、

帯創作の準備に取りかかる。


季節は夏・・・。

祭り囃子、花火の音、蝉の声・・・。

ゆっくりと帯を作りながら、

夏の賑わいともつきあっていくことにしよう。



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創作物語り ** 帯に留めて                                                           
ニ 帯縫い 〜準備〜

               ■ 帯 布
(今回、準備した布の総用布 cm)

             黒繻子     290 × 33
             
             バティック   229 × 103 








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