裏地は何にしよう?

木綿、古布、パッチワーク・・・。

そういえば、近くに更紗のお店があったな。

久しぶりに足を運んでみた。




色とりどりの更紗。タペストリーやテーブルクロス。

店先に飾られたボードには、購入した更紗で作った、

スカートやドレスなど多彩な作品の写真が並んでいる。


素人には、圧倒されてどれが良いのかさっぱりわからない。

あれこれ迷い悩んでいると、オーナーが声をかけてくれた。


黒繻子と一緒に昼夜帯にしたいこと、手持ちの着物のことなど、

いろいろ相談する。

着物に合わせやすい柄や色を考えながら、

何枚も腰に巻いては、アドバイスを頂いた。


お店の更紗は、オーナーが現地で買い付けてこられたそうである。

バティックと呼ばれているらしい。

MADE IN INDONESIA

時代と国境を越えた、一本の帯が出来るんだと思うと、

ワクワクする。
吹く風に少しずつ夏の匂いを感じる春終のある日、

知人から「黒繻子」を頂いた。

おばあ様が愛用されていたものだという。


知人を通して、おばあ様を想像してみた。

繻子の帯を締め、明治の町を颯爽と、

歩いていたのかな。


家族は、おばあ様の着物を、桐の箪笥の中で

大切に、保管していたそうだ。

一度、自宅が火災に見舞われたのだが、

桐の箪笥は中の着物を無傷で守ってくれたのだという。


「この黒繻子、二人で分けて昼夜帯にしようよ」

そういって、知人はその大切な黒綸子を分けてくれた。



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創作物語り ** 帯に留めて                                                           
一 出逢う
                                                   繻子    昼夜帯
                                           更紗(バティック)



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